日本では少子化が加速し続け、2025年の出生数は70万5809人(前年比約1.5万人減/日本人のみ(推計)約65〜67万人程度↓、外国人の割合全体の約5〜7%程度↑)と10年連続で過去最少を更新しました(厚生労働省人口動態統計速報)。
政府は「異次元」の少子化対策を掲げ、2026年4月から「子ども・子育て支援金制度」の徴収を開始します。この制度は医療保険料に上乗せする形で全世代(独身者・高齢者を含む)が負担し、児童手当拡充や保育サービス強化などに充てられます。平均負担額の目安は2026年度で月額250円程度(所得・保険種別による)、段階的に上昇し2028年度には月額450円前後となる見込みです。一見「社会全体で子育てを支える」仕組みに見えますが、独身層を中心に「不公平だ」「自分の結婚・生活支援が手薄なのに…」という声がSNSなどで広がっています。
本当にギャップがあるのか? 3つの視点から整理してみました。
1.「子育て支援」偏重 vs 「結婚の入り口」への支援不足
政府の施策は「すでに結婚・出産した世帯」の負担軽減に大きく偏っています。
- 児童手当の所得制限撤廃・高校生まで
- 延長妊婦支援給付の創設(合計10万円の現金給付)
- こども誰でも通園制度の全国展開(2026年4月〜)
「結婚後の子育てが不安」以前に、「結婚資金が足りない」「適当な相手に出会えない」「将来の生活が不安定」といった声が調査で上位を占めています。
しかも、この支援金の負担は独身者も当然払います。「自分の生活で精一杯なのに、他人の子育てを支える負担が増えるだけ」という不公平感が、若者層で特に強いのです。
2.一時金・フロー支援 vs 長期的な「ストック」不安の解消
政府は手当や補助金(一時的なフロー)を重視していますが、若者が本当に求めているのは「将来の固定費(ストック)」への不安解消です。
- 不安定な非正規雇用
- 低賃金の継続都市部の高騰する家賃
- 住宅費奨学金返済の重圧
自治体の婚活アプリ支援や出会いの場提供は増えていますが、抜本的な住宅支援(公営住宅優先入居の拡大や家賃補助の強化)や雇用安定策はまだ手薄。
「出会いの場」だけでは、経済的基盤がなければ「結婚したい」と思えません。
3.伝統的価値観 vs 現代の多様なライフスタイル
政府の施策の根底には、「家庭を築き、次世代を育むことが社会の礎である」という伝統的な価値観があります。この価値観は、地域や家族の絆の中で子どもを健やかに育てるという、いつの時代も変わらない大切な役割を担ってきました。
しかし、現代社会ではライフスタイルの多様化が進み、
- 「自分自身のキャリアや時間も大切にしたい」
- 「家事・育児の負担が偏ることに不安を感じる」
本来、家族の形は一つではなく、「子育てに専念し、その尊い時間に重きを置きたい人」も、「仕事と育児を両立し、自分らしく輝きたい人」も、等しく社会にとって欠かせない存在です。大切なのは、どの道を選んでも孤立せず、その選択が社会的に承認され、手厚い支援を受けられる環境を整えることではないでしょうか。
この「政策のズレ」を埋める鍵は、
独身期の生活基盤の安定
単なる一時的な給付ではなく、将来への不安(貧困リスクなど)を払拭し、誰もが前向きに人生の選択肢(結婚など)を検討できる土壌を作ること。
相互理解と連帯の再構築
結婚による「自由の制限」を一方的な犠牲と捉えるのではなく、互いの自立を尊重しながら支え合える「心強いパートナーシップ」としての魅力を伝えていくこと。
家庭を社会で支える仕組み
育児や家事の負担を個人の忍耐に頼るのではなく、社会全体でバックアップすることで、生活の変化に対する心理的ハードルを下げていくこと。
2026年4月、支援金徴収が始まるこの春。
子育て世帯を支えるのは当然大事ですが、「結婚したい」と思える社会基盤を同時に整えなければ、少子化の根本解決は難しいのではないかと改めて感じます。
結婚相談所ができることは結婚への入り口をサポートすることです。経済面・メンタル面の不安を共に払拭し、理想のパートナーと出会える環境を整えることで、少しずつでも前向きに結婚を考える若者が増えていくことを願っています。
前にもお話ししましたが、最近の調査では、20代を中心に「いずれ結婚したい」という意向が復調傾向にあり(例:新成人調査で75.6%が結婚意向)、結婚に対する希望は決して失われていません。
日本の未来は、こうした一人ひとりの小さな一歩が積み重なって、きっと明るくなると信じています。




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